akiraの個人ブログ

akiの個人ブログです。読んだ本の感想、めんたねでやってる心理学、カウンセリング、催眠の事とか、他にも旅行、外食、買ってよかったもの、ラノベ、アニメなど興味のあるものを書き連ねていきます。

【書評・感想】発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術(借金玉著)

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僕は今すぐやる会という集まりをやっている。
https://www.imasuguyaru.com/
この集まりはADHDの治療プログラムを輪読する互助会から始まり、派生的にタスク・プロジェクト管理のワークショップへと発展していった。そんな集まりを運営してることもあり、当然この手の話題になっている本は読んでしまう。



著者の借金玉氏は2年くらい前からTwitterとブログではフォローしていてブログもよく読んでいた。

ブログの文章もTwitterの文章も実体験に基づいた実用的なお話が多く、ワークショップを運営する人間としても大変参考になることが多かった。

そんな借金玉氏が満を持して出した本だったから、本が出ると聞いて大変楽しみになった。実際に読んだらやっぱり面白かったし、希望の出る本だった。

全体を通して思ったのは、著者の借金玉氏は発達障害で本当に苦労して、その上で考えたライフハック術だから実感がこもっていて言葉に重みがあった。

著者は子供の頃から集団生活になじめずに高校も留年ギリギリで卒業して大学も一旦入るけど中退してその後早稻田に入り直す。就職活動では面接が上手くいって一流企業に入社するがそこで適応できずに辞職。その後独立して事業を興すも失敗して借金を背負うとなかなか波瀾万丈な人生を送っている。

それでも本を書けるだけの文章力だったり、早稻田に入るくらいの勉強への適性があったり、一流企業には潜り込めるくらいの面接に対する適応力があったりとか、バランスは悪いけどスペックは高い人だと思う。

・著者の体験に基づいた実用的ですぐ役に立つ話が多い
第一章のタイトルが「自分を変えるな道具に頼れ」とあって素晴らしいと思った。自分を変えるのは大変なのだ。これはワークショップをやっていても思う。変えるの大変だから変わらない自分に嫌気がさすし悪循環だ。本の中では「ぶっこみ」「一覧性」「一手アクセス」とあり、発達障害者が苦手とするポイントを良く理解して言葉を選んでいると思う。

発達障害者はなにがどこにあるか解らなくなって、見えないモノは存在しないという風になり忘れてしまうことが多い。だから道具を上手く使う必要がある。

本の中では一覧性のある便利なカバンの紹介だったり、バインダーを使った書類の整理方法、簡単な分類で仕分けるボックスを使った整理方法などなど、いますぐにでも使える技術が書いてある。

・社会的適応の技術
著者が会社員時代に苦労した実体験の反省から、発達障害者が会社の中で上手く立ち回るテクニックも書いてある。発達障害の当事者は言語化されないもの、ルールとして明文化されないものが苦手だ。職場での独特の空気、慣習、飲み会ではお酌をする必要があるかないか、職場によっても違う。

本の中では「部族の掟」という言葉で書かれているが、社会にはそうした「部族の掟」があってそこに上手く適応しないと、後々苦労するということが実感をもって書かれている。雑談にはひたすら同意で回すとか、有給取ったらお礼を言うとか確かにくっだらないけども、やっておいた方がいいよねと思うことが沢山書いてあった。


・「やっていきましょう」の精神
発達障害者は他者と比較するまたは比較されることで、劣等感を覚えたりいやな気分になることも多い。それでもやり方を工夫することで少しずつでも自分のペースで改善していくし生きていくことができる。そんな風に思わせてくれる本だった。

著者は若い頃は年を取ることがネガティブだと思っていたそうだ。だが最近では年を取るたびに発達障害に由来するつらさはどんどん無くなっていくと書いている。

その感覚は私も分かる気がする。ガチの発達障害者では無いけどもおそらくは私もそちらよりの人間だ。

だから劣等感がどこかにあっていまでもあるのだけども、自分のやれることをやっていく中で1年2年と時間が経つたびに、生きづらさというのは無くなっていくというのが実感としてあるからだ。
やはり希望の無いとやっていけないというのはある。自分も「やっていきましょう」と思える本だった。

この他にも発達障害の薬を飲んでみたレビューや、本人が二次障害として持っている躁鬱病の話もあって、苦労する中で工夫して生きていることが伝わるエピソードが多い本だ。